ライフスタイル

102歳、一人暮らし


自分のFacebookにあげた文章ですが、定年前後女子におすすめの本なのでこちらにも投稿させてもらいますね^_^

『90歳。何がめでたい』の佐藤愛子さんのファンの94歳の母。本好きなので、あれこれ送りますが「80代の人が書いた本は、若くて参考にならない」「90代っていっても現役のお医者様じゃ共感できない」とかなかなか手厳しい(マーケットリサーチにはなります 笑)。
これならどうだ!と選んだのが『102歳、一人暮らし』石井哲代・中国新聞社著/文藝春秋。102歳なら94歳の母も文句をいうまいと思って選んだ本ですが、渡す前にと読んでみたら付箋紙つけまくりでした。
「哲代おばあちゃん」は1920年広島生まれ。102歳の今も、朝起きたら自分で布団の上げ下ろしをし、みそ汁をつくって食べ、天気のいい日は畑の草取り。89歳のときに買った電動車いす「シニアカー」を運転して2キロ離れたお寺にもひとりで行くそうです。
20歳で小学校の先生になり、結婚は26歳、広島県尾道市の大きな農家の嫁に。しかし子どもを授からず、家の田んぼを手伝いながら小学校で働き続け、義理の両親をみとり、56歳で教師を退職。20年前に夫が亡くなってからはずっと一人暮らし。とはいえ、親戚やかつての教え子たち、50年前に自ら音頭をとってつくった地区のおばあさんたちの集まり「なかよしクラブ」の仲間と、まわりには慕う人がいっぱいいます。
表紙の写真は102歳と思えない“かわいいおばあちゃん”ですが、本を読みすすむうちに、とても気骨ある女性であり、生きることと格闘してきたことが分かります。子供を授からないと嫁が悪いと決めつけられた時代。家の内外でどれだけ肩身の狭いことだったか。「教員の仕事があったからずいぶん救われた」と書いてらっしゃいます。
座右の銘は「さびない鍬でありたい」。
草取りの相棒である、半世紀使い込んだ自慢の「三また鍬(くわ)」。「先がちびて、まあるくなっているけど、まだまだ現役です。私の手も鍬と同じです。長年使って曲がってしもうて。でもね、若い頃からずっと「さびない鍬でありたい」と思ってきたの。…体も頭も気持ちも、使い続けているとさびないの」。
1年前の日記ではウクライナを思い、「この時代に戦争なんて本当に情けないこと」と語ります。
ひとりで老いることへの覚悟、自分を上機嫌でいさせるためのいろんな工夫、102歳の言葉が60代の私に沁みる、沁みる…。日々の生活習慣もマネしたいことがたくさん。母に1冊、私のためにも1冊買うことにしました。

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